先にリムジンに乗り込んだ苺は目を見張った。 冷蔵庫つきの車内の後部座席は向かい合えるようになっているし、食事をとるのに使えそうなテーブルが座席の間にある。小さな別室のようだ。 「ロケバスみたいでしょ」 嬉しそうに言いながら龍二はちゃっかり苺の隣に腰かける。 「うん…そうなの…かな。私、ロケバスってよくわかんないから。それより、なんで隣に来るの?」 苺は龍二に聞いた。 「仲がよろしいですね」 運転手がミラー越しに微笑む。