「龍二!苺ちゃん!ごはん食べに行くよ!」


 階下から聞こえた声に、龍二が離れる。


 苺は吾郎に感謝しつつ胸をなでおろした。


「行こうか。どうせなら皆に自己紹介しちゃいなよ」


 龍二は何事もなかったかのように振る舞う。


 苺もそれに倣って何もなかったかのように務めた。


「龍二、家の中は案内できた?」


 吾郎が龍二に聞く。


「いや、まだ途中。部屋に連れてったら苺ちゃんが興奮しちゃったんだ」


 龍二が言い、苺もなんとなくそれに合わせた。