龍二と少し距離を開け、苺は学校の敷地に入る。 「まーいっ」 親友、英玲奈に呼ばれ、苺は足を止めた。 「英玲奈!おはよー」 「おはよう」 英玲奈と肩を並べ、昇降口に向かう。 その時、先に昇降口に到着していた龍二がクラスの梨花たちと一緒に歩いているのが見えた。 苺は目を逸らす。 「苺?」 英玲奈に訝しげな眼で見られ、苺は 「え?あ、何でもないよ?」 と笑って見せた。