翌朝。


 苺は服を着替え、部屋を出た。



 結局、昨日は龍二に数学を教えてもらわなかった。



「おっはよ」



 苺より先に朝食を食べていた龍二がくるりと振り向き、苺に声をかける。



「あ、おはよ…」



 苺は少し戸惑いながら挨拶した。



「……どうかした?顔色、悪くない?」



 龍二に顔を覗き込まれ、苺は慌てて首を振る。



「そんなことないよ!!」



「ふーん?」