「それより、部屋に案内するよ」 龍二は息を整えながら言った。 「…うん」 苺も乱れた呼吸を整える。まさか引っ越し早々こんな走ることになるなんて思いもしなかった。 「そうだ、ねぇねぇ、香坂さんのこと、苺ちゃんって呼んでいいかな」 歩きながら龍二が聞く。苺は頷いた。 「いいよ、だって私も龍二くんって呼んでるし」