「ありがとう。最期まで君の名前を嬉しそうに呼んでいたよ」 お父さんもお母さんもとてもおおらかそうで、僕は少しだけ、笑顔になれた。 遺影の中のカノジョに手を合わせる。 カノジョは、僕と出逢うずっと前から病気だったらしい。