“王子様”には今、
猫と同じくらい…いや、
猫以上に夢中になっている“女の子”がいる。
どんなにモテても、すべてシャットアウト。
浮いた話のひとつもない。
そんなアイツに「好きな子がいる」って知ったとき、俺は純粋に喜んだ。
だって、アイツが女の子に興味がないせいで、俺と“デキてる”からだなんて、不名誉な噂まで立てられたんだよ?
そのせいで、彼女に誤解されてフラれたんだからな?
だから、もう、
アイツの恋は、何がなんでも応援してやりたかった。
そして、さっさと解放されたかった。
なのに……
なんで“あの”女なわけ?
「昨日もさ、」
ぶすっとする俺のことなどおかまいなしに、歩の話は続く。
「髪の毛ボサボサにして、真っ赤な顔でうちまで来てさぁ。あー、走ってきたんだなぁって思ったらすごく可愛くなっちゃって。」
「ふーん…」
「思わず、ぎゅーっと抱きしめて、ご褒美あげちゃったよ。」

