「ダイスケ、おはよう」
廊下のあたりが騒がしくなってきたなぁ…と思ったら案の定。
「……はよ」
始業までのわずかな時間。
朝練の疲れを癒すべく、机に伏せていた俺のところにやってきたのは……
「昨日はごめんね?ありがとう。」
朝っぱらから、爽やかな笑顔を振りまく“王子様”。
うわっ、クラス中の女子がこっち見てるじゃん。
さっきまで、俺のほうなんて見向きもしなかったくせにさぁ。
…なんて。いつものことだ。
いちいち気にしてたら生活なんてできやしない。
「昨日は?あの後ちゃんと会えたのか?」
はっきり言ってどうでもいいけど、まぁ一応。
顔を上げて、歩のほうに向き直った。
「え…?ああ、うん。うちまで会いに来てくれたよ。」
カバンから教科書類を取り出しながら、歩はにこやかに微笑んだ。
“会いに”行ったわけじゃなくて、“文句を言いに”行ったんだと思う。
さすが、
“ポジティブ変換思考”の持ち主だ。

