さよなら大好きだったよ。

中川くんとあたし。

2人で帰る道は静かで切ない。


中川くんは、相変わらず何も話さないまま。

あたしだって似たようなものだけど。


ずっとこの時のことを考えてきたはずなのに、何も出来ない。

何を話すかだって、散々妄想してきたのに。

緊張して言葉が出ない。


ふいに桜の花びらが散るのを見て、『もう春は終わるんだ』なんて思ってしまった。