【 責任取って、10年後にうまい酒奢れよ?(笑) 】

【 オーケー、飛びっきりのを用意しとく!! じゃあまたな!! 】




またな。 と来た信吾からのメールを見て、ふっと笑みを浮かべた。




【 またな、信吾。 】






……たったそれだけのメールに、返事は来なかった。


だけどそれでも気持ちは晴れやかで、心は温かい。

離れていても、大丈夫。

『四聖獣』と聞くたびに俺は信吾を思い出し、四聖獣の中心的存在である『黄龍(アイツ)』は、俺たちを忘れることはない。


だからこそ、『またな』という言葉は成立する。






「……またな、信吾」




どこまでも広がっている青い空を見上げて、微笑みを浮かべる。

と、その時。 女子に囲まれている大雅がブンブンと手を振った。




「健ちゃーん、ヘルプミー」




大雅のそんな言葉を聞き、にっこりと笑ってみせる。




「テキトーに頑張れ」




信吾がよく言っていた『テキトー』を、今は俺が言っている。

そしてひらひらと手を振って、俺は一人、校舎へと向かった。




「薄情者ー」




そんな声を後ろに聞きながら、俺はまた、青い空を見上げて微笑んだ。