【 『四聖獣』って聞こえるたびに、俺を思い出せよ? なんたって俺は、四聖獣の中心的存在なんだからな(笑) 】 四聖獣の、中心的存在。 「……なるほど。 あの時の信吾は、これを言うつもりだったのか」 汚い字を見つめながら、笑みを浮かべる。 5月に、初めて『四聖獣』と聞いた時……信吾は中心的存在の話もするつもりだった。 だけど俺は全然興味なくて、軽く聞き流してただけで。 だから信吾は、黄龍の話はしなかった。 「黄龍は、お前だったんだな」 携帯を操作して、信吾へと電話をかける。