『バカになるぞ』
『健ちゃんのせいで脳みそとけてるから平気』
『俺は兵器か』

思わず吹いてしまった。
まさか健ちゃんのダジャレを聞けるなんて……。

『何?ダジャレ?』
『うるさい。悪いかよ』
『いえいえ。惚れ直したよ』
『悪かったな』
『悪くないよ!?』

思わず頬が緩む。
私って幸せだなぁ。

「お前ひとりで何ニヤニヤしてるんだ」
背後から声が聞こえて振り向くと、
そこには少しお怒り気味の先生の姿が。
先生の持っている名簿が私の頭に振り下ろされる。
が、当たらなかった。
間一髪で避けられたのかもしれない。

「……あんまイチャイチャしてると職員室呼び出しだからな」

ん?イチャイチャ?
その言葉を聞いて私は思わず立ち上がった。

「先生!!イチャイチャしてるように見えますか!!!?」
「え?!なんか鼻息荒……え!!?」
「お前やめろ!!恥ずかしいから!!!!」
健ちゃんが大声を上げる。




後で聞いた話だと、
この声は隣の隣のクラスまで響き渡っていたらしい。