瑞樹ちゃんと康太のデートの日まであと二日、という頃。
私はクラスの友達と話しながら、瑞樹ちゃんと康太の様子をうかがっていた。
二人はこれといって仲の好さそうな様子を見せない。

「っち」
「ちょっと何舌打ちしてんの」
「すんません」
「もう!話戻すよ!」


クラスの友達の話といったら、
大体はTVや恋の事だ。

「そんで斉藤くんが……」
「うんうん!」
「キスしてくれたの!!!」
「熱いねぇぇ!」
「何それ萌え!」

私はとりあえず『萌え』と言っておけばいいみたいだ。

瑞樹ちゃんと康太はすっかり別行動をしている。
なんだよあいつら……。とちょっとした苛立ちを押さえながら、
クラスメイトたちの話を聞いていた。