「そろそろ、席替えするかー?」

その声にクラスはいっせいに盛り上がった。

「まじで!?」

「やったー!!!」

「次は、○○の隣がいいー…」

そんな声の中、あたしは戸惑っていた。
嘘?田中の隣じゃなくなる?
今まで、隣が当たり前だったのに…。
田中の隣はあたしじゃなきゃなのに。
田中に宿題を見せるのはあたしの役目なのに。
あたしのそんな想いを無視して、話は続く。
くじ引きになるらしい。


「まじかよー…、小柳ーお前、次自分がどこの席になると思うー?」


田中があたしに話しかける。
あんだけ冷たくあたったのに。
田中は優しすぎるよ、まったく…。


『んー………、そこ。12番。』


あたしは一番窓際の席の前から3番目の女子席を指差した。
どこの席に…というか、あたしの希望なだけなんだけど。
そういうと、田中は少し驚いたような顔をしながらこっちを向いた。


「それって、俺の予想のとなりじゃん。」