次の日の朝だった。


「明美ー、宿題したー?」

「あー…、したよっ!」

「貸せよ!」

「はぁ…?はい、どぉーぞ。」


…はぁ?は、こっちの台詞だよ。
何、呼び捨てしてんの!?
何であたしじゃなくて明美なわけ!?
結局、あたしは宿題のために隣にしておきたかっただけなんだ。
そりゃ、あたしの成績は学年でも良い方だから、
宿題がまちがってる事なんて滅多にない。
これだけは自慢できる。
…この前の席替えのくじ引き交換って、ただ単に宿題見たいだけ?
ってか、明美の宿題みてるじゃん。

じゃあ、田中にとってあたしって何?

あ…そっか。田中、彼女いるんだっけ?
あたし、何うぬぼれてたんだろう…。


「小柳ー。数学した?」


田中が声をかけてきた。
あれ?…明美のは?
見ると、明美の宿題も手にしている。
明美のことは好きなのに、なぜか明美に妬いている。
そんな自分が嫌になる。


『したけど…。明美のコピれば?』


あたしは淡々と答えた。
嫌だな、最近のあたし人に当り散らして。
本当、性格悪い。