乱れた髪をかきあげるカナメを見つめるミヤビは目を細め、深く息を吐くタクミは遠い目をする。


身動き1つみせないリッカは点滅するカーソルをジッと凝視していた。




 「全て君達次第。君達の手に全てかかっている。この世界から災厄を消し去るか、はたまた災厄を導き続けるか」


珈琲を飲み干したカナメは席を立つ。

そして萎れた花に手を伸ばしそっと優しく花弁に触れた。




 「どの道を選ぶのかは君達に任せるよ。俺が決めるような事ではないからさ」


触れた花は蘇り、活き活きと咲き誇る。




 「でもこれだけは言わせてもらうよ」


5人に背を向け歩き出したカナメは肩越しに振り返る。




 「これは生死を賭けた戦いだ。生半可な心で、半端な気持ちで挑む事は、この俺が許さない」


鋭く細められた瞳。
殺気立った冷たい雰囲気。


彼のその表情に息を呑む。




 「ま、心しておくよ~に」


かと思えば、にっと笑いおどけた態度を取ってみせる彼は片手を振ると店の外へ出ていった。