「…それって、死ぬのが望みだって言う事かよ……?」
ハルの言葉に頷くカナメは肯定の意を示し、一つ深く息を吐く。
「災厄を祓いこの人生の幕を下ろす。それが俺の唯一無二の願いであり望み。その願いがやっと叶う時が来た」
柴架が居る以上死ねない身体であるが為、彼は姉である柴架の敵に回り彼女を殺す事を考えた。
それも自らの命に終止符を打つが為。
全ては死ぬ為だけに行ってきた事だと言う。
「そんな…そんなのって……」
「悲しすぎるじゃないかって?こんな俺にそんな事を想ってくれるなんて、ハルは案外優しいんだな」
「なっ、誰が優しいだ!」
カナメの言葉に何時ものように返してしまうハルだが、今の状況を思い出しハッとする。
口を噤んだハルを目にカナメはケタケタと笑っていた。

