「…まだだ…まだ死ぬものか……死んで…死んでたまるか……!」
顔面蒼白の柴架は荒い息を吐きながら身体を貫く槍を引き抜く。
血は更に吹き出し辺り一面を紅く染め、血の海を作り出した。
「否、もう終わりだ柴架。終わりにしよう」
転がる槍は何者かの足にぶつかり動きを止める。
顔を上げれば、其処には悲しそうな顔で柴架を見下ろすカナメの姿が。
「…何が終わりだ……終わらないぞ……終わりになどさせてたまるか……!」
「もう十分だろ?十分すぎる程貴女は生きた。だから終わりだ、姉さん」
声を荒げる柴架を見つめるカナメはフッと笑う。
それはそれは悲しそうに、それでいて優しい顔をして。
その笑みに怪訝な顔をし見つめると、カナメは足元にあった槍を蹴り上げ手に取った。
そして何の迷いもなく、それを自らの胸へと突き刺した。

