noir papillon



 「うっ…くっ……」


膝を折る柴架の胸を貫くのは黄金に輝く弓矢。


血を吐きながら前方へと目を向けると、其処には弓を引いた状態で立つハルの姿が目に入る。




 「…貴様……」


ハルを睨み低く言う柴架貫く弓矢が自らの身を蝕んでいる事に気づく。


身の危険を感じそれを引き抜き放り投げるが、触れたその手の感覚は消え熱を失っていた。




 「 a dieu(さよなら)、柴架 」


別れの言葉と共に右手を挙げるハル。


それと同時に柴架の頭上に現れる幾つもの鋭い槍。


煌めく切っ先全てが柴架に向けられるその槍は、ハルの挙げた手が下ろされるのを合図に一斉に柴架に降り注ぐ。