柴架の身体を掴み巻き付く黒い腕。 身動きが取れず唇を噛む柴架はふと何かに気づき視線を上へと向けた。 「…おやおや、何だこの顔ぶれは……」 倒れる柴架を取り囲むのは、数体の精霊や魔獣達。 火を吐くサラマンダー、水を身に纏うウンディーネ。 風を操るシルフ、地を司るノーム。 高々と舞い上がるフェニックスに、荒々しい鬼神。 牙を剥く白虎、蜷局を巻く玄武。 その全てが柴架を見下ろし敵意を向けていた。