「護るは良いが、何時までその非力な魔力が保つかな?」
撃ち抜かれ散った血液はその姿を小さく変え、数は倍となり襲いくる。
何度的確に撃ち落とそうが斬り落とそうが、それは只分裂するだけで防いだとは言いきれない。
むしろ逆に自ら困難な方向へと誘っているに等しい。
「さて、一気にかたずけると──」
事を終焉に向かわせる為、更に魔法での攻撃を仕掛けようとする柴架。
しかし何らかの妨げを受けその魔法は発動せずに終わる。
「まったく、邪魔ばかりして鬱陶しい」
先程まで柴架の居た地面に突きささる刃。
剣を振り下ろし攻撃を仕掛けたミヤビは舌を打つ。
ミヤビはリッカから受け取った2本の短剣を飛躍した柴架目掛け投げつける。
が、その短剣は柴架の前で方向転換。
軌道を変えスピードをあげ、ミヤビの身体を掠めていった。

