柴架の流した血が幾つかの小さな球体となり宙に浮く。
静止したそれは柴架の合図を待ち待機していた。
「何かおかしいと思えばお前か、ハル。お前の存在で全てが狂い始めている訳だ」
今度は幻ではないハル本人を見据え言う柴架。
彼女を睨み威嚇するハルは何の言葉も発さない。
「そうと分かればお前を今すぐ殺すのみ。そうすれば歪みは解消され、全て私の思うまま。お前達は今度こそこの世から消える事になる!」
ニッと笑うと、それを合図に血でできた球体はハルへと襲いかかる。
風を切り迫り来る球体は破壊力抜群。
人の身体を貫くことすら容易にできる。
「安心しな!あんたの身は私が護ってやるから!」
「僕も援護しますよ」
目にも見えない速さの球体を完璧に撃ち抜いたシンリ。
球体を凍らせ速度を落とすタクミと2人並んでハルの前に立ちはだかる。

