noir papillon



紅い鮮血が宙を舞う。

止めどなく吹き出る液体は地を汚し、あっという間に紅い血溜まりを作り出す。


ボトリと落ちた塊はその中に転がりピクリとも動かない。




 「っ……」


顔を歪め前方を鋭く睨むカナメ。

肩を押さえる彼の右腕は無く、そこからは多量の血液が流れ出る。




 「…どう言う事だよ……何がどうなってんだよ、カナメ!」


声を荒げるのはミヤビを抱えたハル。
腕の中の彼女は無事のようだ。