「あぁ全く、期待外れにも程がある」
柴架との話がついたのか、不機嫌そうなカナメは乱雑に頭を掻き倒れるシンリの腹を蹴る。
「へ……?」
苛立ちを露わにするその態度に驚くハルは身を起こし声をかけようとするが、その動きを止め唖然とする。
「本当台無しだよ全て。何もかもが時間の無駄だった」
片手で持ち上げたリッカを放り投げ、タクミの頭を踏みつける。
「否、悪いのは俺か。俺の見る目が無かった訳だ。こんな無力で無能な人材ばかり集めてしまったのだから」
ミヤビの髪を掴み顔を上げさせたカナメ。
辛そうに息をする彼女を冷たく見下ろす彼は空いた右手に短剣を握る。
「君達には重すぎたこの使命、運命から解放してやるよ、今直ぐに」
ミヤビの首目掛け、何の迷いも無く短剣は振り下ろされた。

