noir papillon



鋭く伸びた爪が肩を掠め紅い雫が宙を舞う。

襲い来る牙を何とか受け止めたミヤビ。

押され気味の彼女は歯を食いしばり必死で耐える。




 「…ッ…ゲホゲホッ……」


咳き込みながら苦しそうに息をするリッカは膝を折る。


見開かれた瞳からは耐えかねた雫が零れていった。




 「私だって、まだ幼いお前を殺したくなどないさ。だが仕方の無い事。変える事のできない運命なんだよ、これは」


 「っ……!!」


乱れた髪をかきあげ言う柴架。
悪戯に笑うと、リッカは突然息を詰まらせる。


自らの首に爪を立て掻きむしりだした彼女。


よく見れば、彼女の首には白い蛇が巻き付いている。




 「Bonne nuit(おやすみ)、リッカ」


苦しむリッカを見下ろし指を鳴らす柴架。
それを合図に更に締め上げる白蛇。




 「!!」


グキリと、何かが折れるような嫌な音。

それを合図に脱力したリッカは力無く倒れゆく。