何も変わらぬ澄んだ青空。
陽は只地を照らし、風は優雅に吹き抜ける。



遂に切って落とされた戦いの火蓋。


始まってしまった生死を賭けた戦い。


生きる事を胸にハル達は柴架に挑む。




 「さぁ、私を殺す為に身に付けたという力を見せてみろ!」


言葉と同時に指を鳴らす柴架。

するとそれを合図にハル達それそれの影に変化が現れる。



ぐらりと揺れたかと思うと影は鋭い刃へと姿を変え、猛スピードで彼らの身を襲う。




 「くっ……」


瞬時に反応しそれを回避。
皆無事である筈だったが…




 「ぐっ……かはっ……」


対処できず延びた刃をその身に受けたハル。

黒い刃は彼の心臓を貫いた。




 「ハル!!」


 「おっと、邪魔はしない約束だろ?」


血を吐き倒れゆくハルに駆け寄るが、寸前でカナメの前に立ちはだかる柴架。


彼女は嫌みに笑いカナメに触れる。


すると彼の姿は何処かへと消え去った。