「んーおいしー」

実衣はいつのまにか、新商品のキャンディを美味しそうになめてる。


「実衣ってほんと、幸せそうにお菓子食べるよね…」


あたしは呆れながら言う。





すると、天然パーマの長い髪が、


ふわって揺れる。


桜みたいに


ふわりと。




「だってね、このキャンディを食べられるのは、今しかないんだよ!」



「明日も食べれるよ?」


ってあたしがいうと
実衣は首をふった。





「あのね!この時代にこの国に生まれる可能性なんてこーんくらいなんだよ!」


そういって実衣は親指と人差し指でCの字を作る。




「だから、あたしと花菜が出会えたことも、運命だよねっ」


実衣はにぱって笑った。





その一言で



ああ、あたしはなんて幸せものなんだろう

って


素直になれて。




多分実衣は魔法使いで



あたしに魔法をかけたのね。







だってこんなにも



世界はキラキラしてる。