「何が寂しくて、男と二人暮らししなきゃいけねぇーんだよ…」 お兄さん、声が、もれてますけど。 「まぁまぁ。お兄さん彼女とかどーせいないんでしょ?」 そういった俺に、目の前のお兄さんは、 『失礼だな、お前』 って顔をしながら 「いねぇけど」 と、だけ、答えた。 「じゃあ、俺を一年間置いてやってくださーい」 「………生意気な餓鬼だな」 「よく言われますー」 「威張ることじゃねーだろ。つか、部屋はそこな。そこは別に使ってねぇから」 「はーい」 よし。 置いてさえもらえればいいんだ。