私が難しい顔をして
また考えようとすると…
「由依華様。
もしかしたら学校では変装
なさっていられるのかもしれませんよ?
それに難しい顔をなさらずに
いつもの笑顔の由依華様で
パーティーを楽しんで来て
くださいね?」
と鏡越しににっこり笑いながら
そう言った紗江を見た。
「そうね。
そうするわ。」
笑顔で答えると
「由依華様は笑顔が
一番ですわ。」
と紗江は言った。
「もうすぐしたら
柚希様がこのお部屋に来ます。
柚希様にエスコートされながら
会場に入ってください。
入ったら晟様が自分への誕生日
プレゼントとして婚約を
発表されるそうです。」
笑顔で淡々と言っていく紗江。
お祖父様…
自分への誕生日プレゼントとして
婚約発表って…
お祖父様の行動にはいつも驚かされるわ…


