………拍手が沸き起こった。
(え…?)
周りを見渡すと人々が皆、拍手していた…。
「すげー!」
「綺麗だったよ!」
「さすがだねー!」
そんな声があちこちで上がる。
「さすが純血の雪女は違うわね…。」
椿が感心して拍手していた。
そこには用意されていた30食分のかき氷ができていた。
(こ、これはどうゆう…)
その時、視界の片隅でおきぬは見た。
…おしんがいた。
優しくおきぬを見つめていた。
隣には已之吉が、そしてトミが微笑んで拍手していた。
好子、健太郎が笑顔で手を振っていた。
一生晴れることはない…。
そう思っていた深く、重い黒い霧が一気に薄れていくのを感じていた…。
おきぬは周りを見渡し照れ臭そうに笑うとペコリと頭を下げた…。