「そっかー。あの汽車は反対方向にいくやつだったんだね。ごめんごめん。」
おきぬは自分の頭をコツンと小突く。
「…ったくいきなり走り出したと思ったらあの電車に乗ろうとするんですから…。そんなことより大丈夫ですね!名古屋で」
「新幹線に乗り換えるんでしょ?わかってるって。」
「本当に大丈夫ですか?心配だなぁ。俺みたいな優秀な部下持たなかったら本当に大変なことになってましたよ。」
「そうだね。ありがとう。
…って言っておく」
おきぬは葛西を見て笑った。
「大丈夫ですね!本当に大丈夫ですね!もう一度言います。本当に」
「大丈夫だって。言わなかった。なめたらいかんぜよ。…って」
(だからなにをだよ(汗)
「…それと葛西くん。しつこいオトコは嫌われるんだぞぉ。」
おきぬは葛西の顔の前に人差し指を立てて言った。
葛西は何か言い返そうとしたが、
「すみません。。。」と肩をすくめうなだれた。
その時、発車ベルが鳴った。
「支部長、とにかく気をつけて行ってください。
あ、向こうの人によろしく伝えて下さい。」
「うん。わかった!あ、お土産楽しみに待っててね!」
その時、列車の扉が閉まった。
おきぬは座席につくと葛西に手をふった。
葛西は一礼すると軽く手をふった。
…列車のテールライトを見送る。
列車が見えなくなると葛西は大きく溜め息をついた…。
「…ったく本当に世話の焼ける支部長さんだよ。」
そう呟くと、彼は失笑し、ゆっくりホームを戻っていった…。


