雪女~おきぬの昔ばなし~



国鉄東海道本線大垣駅。

近鉄養老線と国鉄樽見線が接続する、比較的規模の大きな駅である。


そして、岐阜県の一地方都市・大垣市の玄関口でもある…。


平日の金曜日、さらに昼前であるためか、駅前は比較的閑散としていた。



「東京まで一枚。あ、はい。名古屋から新幹線で…。」


葛西は窓口で切符を買っていた。

「支部長、切符買いましたよ。支部長?あ、あれ。どこ行っちゃったんだ…」


おきぬはビニール袋を持ってほくほく歩いてきた。



「…あのぉ、支部長、なに買ってきたんすか。」

「んふー。ポテチとチョコ買ってきちゃった!」



おきぬは子供のような笑顔を見せた。

葛西は呆れたような顔つきをすると、
「あのですねー。遠足行くんじゃないんですよ!わかってますよね!」


「わかってるよ。大丈夫だって」

「ホントですね!ホントに大丈夫ですね!」


葛西は念を押した。


「嫌だなぁ葛西くん。あたしをなめたらいかんぜよ」

(なにをだよ(汗)


葛西は苦笑した。


「…まぁいいや。支部長、名古屋から新幹線に乗り換えて東京行きに乗るんですよ。いいですね!」

「うん。わかった!」


「ホントに大丈夫ですね!」

「だいじょーぶだいじょーぶ!」

おきぬはニコニコ笑って言った。


「…わかりました。それではお気をつけて。」



改札口で彼女を見送る。


おきぬは笑顔で手をふった。


(…支部長本当に大丈夫かな。)
葛西は心配そうにおきぬの後ろ姿を見つめていた。