「あんた…面白いねぇ。」




その言葉とは裏腹に更に険しい眼光をおきぬに向けた…。



「面白い?ありがとう!」


おきぬはおどけてみせた。



「小娘………私に喧嘩売るとどうなるのか、わかってるのかい…」


サラは声を震わせた。


「は?全然わかんないし~」

おきぬは首を傾げ楽しそうに笑った。



たちまちサラのこめかみの血管が浮き出た。


「そうかい…。
ならばおもいしらせてやるよ。
私に逆らった報いを…むくいをなぁ!」



サラが腕を振り上げると、二筋の凄まじい炎が噴出した。
そのまま腕をおきぬに向けると火炎は凄まじいスピードでおきぬに向かっていく。


ゴォ!


たちまちおきぬの体は火だるまになった。


「…これだけじゃすまないよ!」
サラは両手を前にかざしたまま人差し指を下に振り向けた。

「…砕けな」




ドンッ!

爆発がおきた…。



爆風がトムとサラの頬を撫でた。



燃え上がる炎…。



「はーっはっはっ!
バカが!私に逆らった罰だ!こっぱみじんに吹っ飛びやがったぜ!はーっはっはっ!はーっはっはっ!」


「サ、サラ…」



トムは後ずさった。
サラを見て震え上がっていた。


「す、すごいよ。サラ。」


トムは動揺しながらも、サラを讃えた。



「死んだ、死んだ!奴は死んだ!死んだんだよ!はーはっは!はーっはははははは!」


サラは大口を開けて笑いつづける…。
まるで何かに取り憑かれたかのように。





「ああ。あああぁ…」


トムはそのままへたれこんだ…。
普段は冷静なサラがトムには狂人のようにみえた…。