…嫌な音がした。


地面にめりこんだ左腕はもげ、更に上半身は衝撃でひきちぎれた。


「…………………」


四身を失った彼は、サラの足元にゴロンという音と共に落ちた。


サラはジョンを無表情で見据える…。



「助けて…。助けて………サラ……たすけて……たすけ」
サラは口をひん曲げた。




その時、ジョンの周囲の地面がバシンという軽快な音と共に亀裂が入った。

「なっ…」


ズオッ!


亀裂から青白い炎が噴き上げ、ジョンの体は突如として炎に包まれた…。



「お、ががっ!っ、らっ!らっ!さ!ら、さら、サラーっ!!!」


ジョンは悲痛な叫びをあげた。

「…とっとと失せな」



「おごが…ぐぼぼ…」




意味不明な声をあげながらジョンはのたうち回る。



陸に打ち上げられた魚のように…。



…やがてゴムが焦げたような…そんな異臭が漂ってきた。


ビクンビクンと痙攣していた「それ」はやがて完全に動かなくなり、黒焦げになった「それ」はボコボコと沸騰したような不気味な音をたてはじめた。


「………………。」



サラはゆっくりとおきぬに目を向けた。



「可哀想に…。
仲間に殺されちゃうなんて。ずいぶんひどいことするんだね。」


おきぬは黒焦げになった物体を見つめ楽しそうに笑った。






…サラは歯をくいしばりおきぬを睨み付けた…。