「あら、おきぬ、いらっしゃい。」
おきぬが魚の串刺しをほおばっているとおしんが帰宅した。
「は、ほ、ほへひ、ほはへひ。」
「もう、アンタ何言ってるのかわからないわよ。」
おしんは苦笑した。
「いいにおいしていると思ったら魚焼いてたんですね」
「あぁ。おきぬちゃんがまた魚持ってきてくれてね。残ったぶんは夕飯にでもまわそうと思ったんだが、どうやらそれは無理のようだ。」
トミはそう言うと、おきぬを見てニヤリと笑った。
「ふふ…。さてと、それじゃあ私も一本いただこうかな。」
おしんは囲炉裏に手を伸ばした。
「あひゃ、ほーはいほ。」
「あんた、何言ってるのかわからないよ。
あれ…
私の分は…。」
「…だから言ったろ。さて、私は洗濯物でも取り込もうかね。」
トミは笑いながら腰を上げた。
「あんた、どんだけ食い意地はってんのよ…」
おしんは半ばあきれながらおきぬを見つめた。