「そうなのー。旅行にいくんだー。」
「そうなんだよ!東京だよぉ。すごいでしょー」
健太郎ははしゃいでいた。
「それでね、それでね」
佐々木の妻・さおりは二人の子供の話をうなずきながら聞いていた。
まっさらに晴れた空。
木々は色づき始めそろそろ紅葉の季節だ。
「…好子、健太郎。暗くならないうちに帰ってくるんだよ。」
別れ筋のところでおしんは二人の子供に言った。
「うん!」
「おしんさん、小屋掃除お疲れ様ね。あ、東京見物楽しんできて!」
「うん、ありがとう。あ、お土産楽しみにしててね。」
おしんは笑顔でさおりに言うと、手を振って別れた。