東京・神奈川・埼玉・千葉…。
関東地域で世間を
「賑わせた」謎の民家焼失事件は半年のうちに50件を越えた。

しかし、それらの事件は新聞記事に載ることはなくなった。


国家権力が圧力をかけ、マスコミ操作を始めたのだ。また、彼らを母国に帰還させたという、そんな噂までながしはじめた。
これが妖魔たちの警戒心自体を解かせ、犠牲者は更に増えていったのである。



「日本人以外の血を絶やす」



それをする事により、国家の神聖は図られる。
…そう、この日本を軸として世界は回っていくのだ…。

…人間に危害を加える魑魅魍魎たちこそこの頃には殲滅していた。
だがその思想は特に大きな危険性のない妖怪たち全てにも向けられるようになっていった…。



かつて日本は妖怪と人間が互いに共存していた。
…だが近代日本は妖怪にとって住みづらい国の一つになってしまっていた。