あたしが困った時、助けてくれるようになった。
………優しくなった。
あたしは、変わった大谷にドキドキした。
でも、この感情は何なのか、鈍いあたしには分からなかった。
―――――そんな感情を持ったまま、冬になった。
後ちょっとで、1年生生活が終わる。
ちょうど、大谷とあたしの席は隣だった。
あたしは数学の授業中、持参したコンパスの使い勝手が悪くて、イライラしていた。すると―――――
「…………俺の使う?」
不意に、隣から差し出されたコンパス。
「あ……ありがとう……」
どぎまぎしながら、受け取った。
………優しくなった。
あたしは、変わった大谷にドキドキした。
でも、この感情は何なのか、鈍いあたしには分からなかった。
―――――そんな感情を持ったまま、冬になった。
後ちょっとで、1年生生活が終わる。
ちょうど、大谷とあたしの席は隣だった。
あたしは数学の授業中、持参したコンパスの使い勝手が悪くて、イライラしていた。すると―――――
「…………俺の使う?」
不意に、隣から差し出されたコンパス。
「あ……ありがとう……」
どぎまぎしながら、受け取った。


