「同じ空の下で…」

「艶香、タケルの事好きなのかな~って。艶香はタケルと話してると楽しそうだし、あいつには心を許してるっていうか…端から見たら、微笑ましい…」


「…私は、タケルにそういう感情は…抱いた事ないけど…?そう見えるんだ?」


「まあ…ね。俺なりに傷ついてた…。」



「はぁ~?!瞬が?傷付く事あるんだ?!」


「おい、俺をなんだと思ってんだよ」


「瞬て、…妬くとかないのかと思ってた。何て言うか『俺様が艶香如きに…』って感じに見えて、私はただのからかわれ役で…。いつだって余裕がある様に見えてた。女の扱いに慣れてる…って言うか…。」


「………『艶香如き』なんて言うなよ。お前、充分いい女だと思うけど…?」


「…そんな事、今まで言われた事ないよ…」


お互いに心の中を曝け出すようなその時間は、
楽しくてそれでいて優しくて
今までの恋愛と比べてはいけないのだけど、
亮太との恋愛とはあまりにも対照的過ぎて、
さっきまで、心臓が稼働し過ぎて苦しかったと言うのに、
やっといつも通りに戻ってくれて居た。




「・・・・あたしも、瞬とのリズム感、好きかも…」








「…あ~---!それ以上は言わないで!本当に、今、お前を押し倒すかも…っ!」


「あっ!!ご…ごめん!」


瞬に言われて身構えると、私はまたキッチンに逃げ込んだ。



丁度その時、

「ただいま~」

タケルと由美が帰って来てくれて、私は救われた。

「…おかえり~。お疲れさん」