「同じ空の下で…」


目が覚めた頃、もう既にお昼を廻っていた。

超爆睡して軽く頭痛を覚え頭を抱えながら、ふらふらと冷蔵庫に向かうとミネラルウォーターを一気に飲み干した。


ああ、何しちゃってんだろ、あたし…。


夢のような朝の事を思い出し、困惑と戸惑いが突然襲ってきた。




『あれは、一時的な戯れに過ぎない』




そうだろう、きっとそうなんだ。

自分に暗示をかけるように何度も何度も言い聞かせた。


好きでもないのに、何で瞬とキスなんてしてしまったのか。

その行為に抵抗すら出来ずに、まるで恋人ごっこのようなじゃれあいを笑顔で愉しみ…。

更には、帰りの車の中で手を繋ぎ合って居た・・・・。



その一連の行為は…一体なんなんだ…!



思い出すだけで顔から火が出そうな位、恥ずかしい自分がそこに居る。



きっと、瞬は寝てなくて…おかしくなってた。

誰でもいいから、そんな事したかったんだ…。

たまたま都合よくそこに私が居ただけで、私じゃなくてもよかった筈だ。

お互いに、寂しい者同士、傷をなめあうように幸福ごっこを愉しんだだけなんだ…。






素直になれない私は、すんなり現実を受け止める事に抵抗を感じていた。


瞬なんか、好きじゃない。