「いらっしゃいませ~」
「岡崎です。Mr.ジェームスからここに来るように言われまして…」
「…こんばんわぁ…」
「Oh!もしかして、シュン・オカザキ?」
「Yes.My name is Shun Okazaki.」
「Congratulations!ジェームスから聞きました。横にいらっしゃるのが、奥様でらっしゃいますか?」
日系なのか、妙に悠長な日本語で話す欧米人の女性は、澄んだ碧い瞳で私の目をじっと見ていた。
「…Yes,Ah…My name is Tsuyaka O…Okaza…ki.」
すこしどもり気味で答えてしまう…。
婚姻後、初めて自らの名前を名乗った。
「こんばんわ。お会いできて光栄です。さ、どうぞ、こちらへ…。」
握手を交わして、私たちは奥の部屋へ通された。
全くもって、洋風というよりも1950年代あたりのカントリーアメリカンを想像させる。
瞬は、きょろきょろしながら呟いた。
「…ジェームスの、事務所によく似てる雰囲気…。」
「そう、ここの設計は彼がしたのよ。」
「じゃ、どっかの床に多分、ジェームスの名前が刻まれてるんだっ?」
「そうね、瞬。どこかにあるはずだわ。帰るまでに当ててみるといい。」
女性は、瞬にウインクをしてみせた。
