「…瞬の事、支えてあげて下さい。」
「私の方が、いつも励まされてます…。自分が出来る限りの事を…自分なりに…支えて行こうと思ってます。」
「ありがとう…。」
そんな会話を交わしていると、瞬が2階から封筒とボールペンを持って降りてきた。
瞬が封筒から出したものは、婚姻届だった。
「…い、いつの間に?!」
私は驚きを隠せず、目を見開いて瞬の顔を見た。
相変わらず…こんな時まで用意周到な瞬…。
「書いて?」
私は…ゴクリと喉を鳴らした後、婚姻届に目をやり、ざっと目を通した後、瞬からボールペンを受け取り、署名をする準備をした…。
ペンを持つ手が…当然の如く震える。
隣には既に署名を済ませた瞬の癖のある文字。
そして、深呼吸をして覚悟を決めると、自分の名前を書き始めた・・・・────。
・・・・────────
「もしもし、タケル?」
役所に向かう途中、瞬はタケルに電話をしてた。
聞いていないフリをしながら、瞬の会話に密かに耳を澄ませ、手をひかれて歩いていた。
「今、暇なら逢わないか?艶香と今一緒でさ、これから役所に行くんだけど。」
…今頃、タケルは大層ビックリしている事だろう。
驚いたタケルの顔を想像してみる…。
