「同じ空の下で…」


「艶香、ちょっと待ってて?」

瞬のお父さんが部屋から居なくなると瞬は私にリビングで待つように指示して2階に上がって行った。

リビングで、瞬のお母さんと一緒に顔を見合わせて互いに首をかしげた。

「…これから、瞬の事、宜しくお願いします」

急にお母さんに頭を下げられ、私は慌てた。

「お…お母さん、あの、頭を上げて下さいっ!こちらこそ…その…私こそ…ふ、ふつつか者なので…す、スイマセンっ!」

私も、狼狽えながら、頭を下げた。

「さっき、主人が言ったようにね…瞬は、本当に滅多な我儘を言わない子だったの。その瞬が、全く折れなかった、艶香さんとの事だけは…ね。」

「そ…そうなんですか?」

頭を静かに上げながら、お母さんに問う。

「…随分とまぁ、中学・高校と親が学校に呼ばれる事はありましたけど…。そして結構な頑固者でしょ?」

「…い、いいえ、そんな…」

どう答えたらいいのかを迷い、瞬のお母さんから目を逸らし、口を濁らす…。

頑固。

身勝手。

自己中。

強引。

私から見た、瞬の負の性格を並べてみれば、ざっとこんなもんだろうか?

加えて、『甘えん坊』要素だってあると思う。

だけど、どれをとっても、嫌いになれる要素よりも、何故か許してしまえる、瞬の人柄というか、人間性と言うか…そっちの方が上回って居る。