そんな事言ったって、緊張しない訳にはいかない。
「…肩の力を抜いて接してくれたらいい。いつも通りの艶香で充分。大体、艶香は緊張すると墓穴掘るタイプじゃね?」
繋いだ手を離すと、ポンポンと撫でるような叩くような…優しいリズムで頭に触れた。
「…言えてる…。そっか、じゃ、変に作ろうとなんてしない方がいいのか…」
「Ye~s.Natural is best.Ok?」
「・・・・わ、分かった。自然体で…自然体で…。」
呪文を唱える様に、自然体で接する事を自らに言い聞かせた。
瞬のお家に向かう途中に、私のお腹が鳴り、途中でファミレスに寄ってランチを済ませた。
ランチの後、レストルームで少し化粧を直しをして、また瞬のお家を目指した。
緊張のあまり、手に汗を掻き何度もハンカチでぬぐい、それでもまた手に汗を握る程に、自分が思ってる以上に緊張してやまなかった。
瞬は、見事に緊張が解けたのか、全くもって、いつもの瞬になり時折私を笑わせてくれながら、上手い具合にリードしてくれた。
瞬の実家の屋根が見えてくると、その緊張は極限に達する。
瞬がインターフォンを押すと同時に、大きく息を吸い込んで、一旦吐出し、深呼吸を数回繰り返した。
「ただいま。」
「…こ…こん、こんにち…は。」
「いらっしゃい、英さん。どうぞ上がって?」
瞬のお母さんが出迎えてくた。
