「同じ空の下で…」


車やバイクではなく、敢えて公共交通機関で私の実家に行こうと言う瞬。

その思いに従った。

自分のアパートがある場所から4個目の駅で降り、そこからバスで向かう。

その間に、自らの眼に映る景色は、やはり彩りに溢れて居て、モノトーンの景色など映る事もない。

ほんの少し額に汗を滴らせて居る瞬は、いつもより言葉少ない…────。

柄にもなく、『緊張』しているのであろう…。


横に座る瞬の肩にそっと頭をもたげてみる。


瞬は、柔らかな物腰とでも言うような様で私の肩にそっと手を掛けた。


何気ないその仕草すら、たまらない程の安心感が生まれる。


バスを降りると、相変わらずきつすぎる程の日差しが私達を襲ってきて、私は目を細めた。

同時に軽く眩暈を感じて足元がふらついた。

「…大丈夫か?」

すかさず私の身体を支えてくれた、瞬は、心配に満ちた顔で私の顔を覗き込んだ。

「大丈夫。平気だよ…。ちょっと…温度差に耐えられなかったダケ…。」

「そっか?」

心配そうに手を添える瞬に、私はまた無言で微笑を返した。


「…ありがと。えっと…次の信号を右に曲がると、黒い屋根の家が見えて来て…そこから3軒目の…少し古びた家が、私の実家。」

「了解。」