…さっきの涙は乾いたかのように、静かに瞬きを繰り返し、鼻をすすりながら、私は瞬の話に耳を傾けた。
「…いや、金の件は何とでも出来るんだ。だけど、艶香の人生は、艶香のものだから、またプロジェクトに参戦させる事なんて、俺には出来ない。またとないチャンスだろ?…頑張れよ。2人の時間は、それからでも遅くない…」
「…しゅん…っ」
瞬の瞳の奥の野望のような、野心のような燃え滾る決心とやらが見えた気がした。
「…お互い、同じ空の下で、頑張ってみよう。…オカザキツヤカ。Do you hear me?」
「…しゅん…。」
「こんな事になってしまったけど、親父に話したら理解を示してくれた。普通、常識的には認めたくないらしいが…、籍だけ入れる事を許してくれた。…式とかは、流石に喪が明けてからだから…俺が日本に戻ったらゆっくり時間をかけて…式をするのも悪く無いかなって思ってる…。なんなら、向こうで式するのも…悪くないな…」
「…しゅん…・。一人で…勝手に…決めるなんて…ず、ずるいんだから…」
「…あ、そっか。ごめん。」
「でも…今、最高に…嬉しい…。ありがとう…瞬。」
「…No trouble.」
こんなに…
好きになれる相手だと思わなかった。
始めは大嫌いだったのに…。
こんなに、笑える。
こんなに…素直で居られる。
私はもう、迷いとか躊躇いとか無くなっていて、手離しで瞬の胸に飛び込んだ。
行動だけではない。
心理的にも…瞬の胸に飛び込んだのだ。
瞬を…
好きになって…
良かった。
瞬に…
出会えて…
本当に 良かった…。
