「同じ空の下で…」


「おまたせしました、大盛りの…かた…は…?」

私をチラリ見た店員さんに、

「こっちですよ。」

と、タケルが言うと、大盛りに盛られた冷やし中華がタケルの前に置かれ、普通の盛りの冷やし中華が私の目の前に置かれた。

「あ~…腹減った、頂きます。」

タケルの相変わらずの食べっぷりを確認して…

「いただきます」

料理の前で手を合わせて、私も麺を口に含んだ。


瞬は…ちゃんと…食べれてるかな…?




夜のとばりが闇を包む、夏の夜。

相変わらず

「俺が誘ったんだから!」

と言って、私からお金を取ろうとしないタケルにすっかりご馳走になり、店外に出て外で2人で煙草をふかしていた。


♪~♪~♪


タケルの電話が鳴った。

どうやら、メールのようで、相手は瞬からだった。


「″連絡、しなくて、ごめん。俺、今実家に居るから落ち着いたら会おう。じいちゃんの事は艶香に聞いたと思う。…ま、そう言う事だから、落ち着き次第連絡します″・・・・だってさ。」

「うん、そっか。」

「…電話…出来る心境じゃないんだろな、多分。」

「…うん。…昨日も…ずっと何か…考え込んでたから…」

「瞬の、兄さん…来ないのかな…。」

「…あ…。」

そうだ、言われてみれば、そうだ。

「…さすがに…来るよな…。」

タケルは、短くなった煙草を地面でもみ消すと、携帯灰皿の中に入れた。

「…来るよね、多分…」

私も同じように火を消し、自分の携帯灰皿に吸殻を入れた。

瞬の、失踪していたお兄さんは、おじいちゃんにお別れに来るのだろうか…────

ほんの少し、胸騒ぎした。