「同じ空の下で…」


「じゃあ…俺らと一緒に行くか?…多分、由美に話せばあいつも行くっていうと思うし…。」

「…じゃあ、行く。」

本当は駆けつけたい気持ちで一杯だった。

だけど…今駆けつけた所で…私に出来る事など何ひとつないような気がしていた。

何より…

こんな大事な話をメールで送ってくる瞬の事を思えば…

『話が出来ない状況』

更には

『メールで伝えるのが精一杯の状況』

・・・・言わば、

瞬自身が、今現在私に見せたくない状態(=誰にも知られたくない程に悲しみに耽っている状態)だという事のような気がしていた。


「瞬のじいちゃんはそこそこ有名人だから、明日の朝刊にでも乗るだろう。告別式の日程を調べておいて、連絡する。」

「…うん。アリガト。」

また一度、涙を拭き取り、ハンカチをバッグにしまった。



タケルは、ちょっと古ぼけたラーメン屋の駐車場に車を停めた。

相変わらず食に関しては、常に新しいお店をリサーチしてくるなぁと、感心する。

「今日の艶香の格好なら、ここだってかまわないな。」

「…何それ…。」

「ここの冷やし中華、なかなか美味しいぞ。」


タケルは、ちょっと控えめに笑い、店先に掛かっている暖簾をくぐり、店の中に入って行った。