「同じ空の下で…」


「今日は、何する?」

そう聞かれて、こんがり焼けたフレンチトーストを頬いっぱいに含む、瞬の変形した顔を見上げる。

「…何、しよっか…?」

レタスとミニトマトとパプリカを箸で一絡げにしながら、私は答える。

「…バイク、乗る?」

瞬は、カフェオレを一口含み、口と頬をもごもごさせながら話す。

「…瞬に付き合うから、好きな事していいよ。」

サラダを口に運びながら、答えた。


そんな他愛のない会話をしていた時、二つ並んだ同じスマホの一つの着信音が鳴った。

スワロフスキーの番犬がついたスマホが、ブルブルと震え、けたたましく鳴り響いていた。


「あ、あたしだ…」


慌てて箸を置き、ディスプレイ画面を確認すると…目に飛び込んできたのは『着信:高梨 准一』という文字だった。

勿論…躊躇う。

瞬の存在がすぐそばにあるんだから、躊躇わない方がオカシイと思う。

だけど、躊躇って敢えて出なければ、もっとオカシく思われてしまうような気さえした。

ほんの数秒の迷いののち、私は通話ボタンをタップした。


…心臓が、一気に高鳴る。


「…はいっ。」

『…艶香さん?高梨です。』

「…おはようございます。」