「同じ空の下で…」


「や、やめてよ!…恥ずかしい…」

「さぁ、やって見せて!久々に、見たいなぁ~♪」

「…やらない。」

「やれよ、命令だっ♪」

「偉そうに言わないでっ。絶対にや・り・ま・せ・ん!」

「けち。見かけによらず…けちだな。」

「何とでもいって。」


そう言い放ち、私は窓の外の景色を見た。



そう、瞬と出会った頃は…

亮太と行き違いばっかりで…

だけど、

必ず帰ると誰かが居る、または、誰かを待つ…


独りじゃないっていう頼もしさと言うか、心強さはあったなぁと、思う。

寂しくなった事なんて…思えば一度もなかった。


今は、自由気ままな独り暮らしだけど、瞬の体温を覚えてしまってからは、寂しいって感情を覚えてしまって…眠れない夜がある。


「…何か買う物は、ある?有れば寄るぞ?」

「ううん、大丈夫。買い物は特にないかな。…てか、家でご飯食べる?」

「うーん、艶香次第。」

「じゃあ、どっかで食べようよ。」

「いいよ。どこ?」

「前に、タケルに連れて行ってもらった所があるんだ。」

「ふーん。じゃ、そこ行くか。ちゃんとナビしろよ、艶香。」

そういいながら、瞬はカーナビを操作し出した。